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建築とまちについて

2014年10月10日

本日の朝一番は、「原古賀のリノベーション」をお願いしている友人の大工が、別の現場で動けないということで、壁の色見本を取りに行くことにしました。場所はみやき町の石貝団地付近と聞いて、かっこいい団地の給水塔と鳥栖の若手建築家ユニット「class」が手掛けた「nido」という住宅群を思い出しました。しかし、現場に行くと、nidoの住宅群が見当たらない。何ごとかと思いきや、それらを覆い隠すかのように別の住宅群。試行錯誤を重ねて、この地域の風景の新たな個性としてつくられた住宅群は、その意図を少しも汲み取られることなく、経済社会の凡庸なレイヤーで上書きされてしまったのです。経済至上主義の住宅販売を完全に否定することはできませんし、決して、覆い隠してはならない、デザインがどうのこうのと言いたい訳ではありません。

私たちが建築をつくるとき、施主のための建築だけでなく、まちに対する建築のあり方を同じように考えながら、建築をつくります。次に周辺で設計する建築家は、その意図を読み取り、それぞれの「まち」の解釈と修正を加え、建築をつくることで新たな「まち」の展開をつないでいきます。その思考をつなぎ、「まち」を豊かにすることで、人を元気にしていくことが設計者の使命だと私は思います。少しでもそのことを意識していれば、新たな住宅群も今とは異なるものができたはずだと思うのです。

まちを豊かにするチャンスはどの建築にもあります。その機会と真摯に向き合う設計者が一人でも増えれば、「まち」はもっと豊かに、もっと楽しくなるはずです。建築にはそんなチカラが必ずあるのです。

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